母の日とカーネーションの色とお墓参りについて
五月の第二日曜日。
母親に日頃の感謝を伝え、カーネーションを贈る日。
今回はそんな母の日について。
◇カーネーションの色
母の日と言えば、赤いカーネーションが定番。
元々は、亡き母を追悼する意味で白いカーネーションを贈ったのが起源らしい。
そこから、母親が健在ならば赤いカーネーションを、亡くなっている場合は白いカーネーションを贈ることが一般的、らしい。
よくよく調べると、カーネーション赤と白だけでなく、ピンク、黄色、橙色、濃い赤……などなど、それぞれに意味が込められているそうだ。
私は小学生の頃に一回か二回、渡しただけだ。
しかもピンクだった気がする。
母がピンク大好きな人だったので。
あとは他の種類の花とか、花以外のものをプレゼントしていた。
母が亡くなってからは、一度もカーネーションは買っていない。
◇お墓参り
先日お墓参りに行った。
母の日が近いこともあって、あちこちのお墓にカーネーションが供えられていた。
亡くなった母親には白いカーネーション、が原則らしいが、実際にお墓ではほとんど白いカーネーションを目にしなかった。
あるのは赤やピンクなど、色とりどりのカーネーション。
みんな自由に、思い思いの花をお供えしている。
結局、本人が喜んでくれれば、または本人のことを考えて選んだならば、何色でもいいんじゃないかな?という気がする。
墓参りを続けているといろんなことに気がつく。
あまり頻繁に誰かが来ている訳ではないのかな、というお墓もあるし、いつ来ても綺麗になっているお墓もある。
すぐ近くのお墓は、いつ来ても物凄くたくさんのお花が供えられている。
月の上旬に行っても、中旬に行っても、下旬に行っても、必ず生き生きと元気そうなお花が置いてあるのだ。
そして複数の種類のお酒と煙草。
お酒と煙草が好きだった方のことを考えて、何年も頻繁にお参りされているのだなあとしみじみ思う。
また、命日が近いのか、よくばったりと出会う老夫婦もいる。
なんとなく顔見知りになって挨拶をするようになったけれど、最近あまり会っていない。
いつだったか、「せっかくだから」と言って持参されたフルーツをくれたこともあった。
彼らはいつも違う種類の花を用意していて、ゆっくり時間をかけて丁寧にお墓を綺麗にしていた記憶がある。
母の日からだいぶ話が逸れてしまった。
どんなプレゼントであれ、相手のことを想って選んで贈るという行為自体に意味があるのであって、中身はそこまで重要ではないんじゃないか?ということを言いたかったのでした。
◇母の日
母が亡くなったのは四月だったので、久しぶりに外出するとあちこちで母の日関連の売り場が設けられていてすごく嫌だった。
その後も何年か、しばらくは母の日がくる度に憂鬱だった。
「母の日何かあげる~?」みたいな会話にも上手く乗れなくて、「どうしようかなあ」とか無理矢理誤魔化したりしていた。
今はそうでもない。
母の日関連の売り場で買い物をする人たちを見ても、微笑ましいなあと普通に思うだけだ。
それが良いことなのか、悪いことなのか、よくわからないけれど。
結局、今年は何もしなかった。
カーネーションも、カーネーション以外の花も買わなかったし、他のものも買わなかった。
お墓参りしたときも、いつもと同じような花しかお供えしなかった。
私はこうやって段々母へのセンチメンタルな感情をなくしていってしまうのかもな、と思うと少しだけ怖くなった。
ごめんね、お母さん。