ゆるされなかった嘘と夢

元メンヘラの自死遺族だけど幸せになりたい!

入社後「結婚しなければならない!」と必死でネット婚活していた頃の話

新入社員として入社後、私は必死だった。

とにかくすぐに結婚しなければならないと思っていた。

若いうちに良い相手を見つけて、無難に結婚して、早く子どもを産まなければならないと追い詰められていた。

今回はそんな婚活をしていた頃の話です。

 

◇結婚しなければならない!

 

私は物凄く追い詰められていた。

新入社員なのに。

まあ、そもそも結婚し子育てをしながら続けられる仕事、という観点で仕事を選んだという面もあるが。

 

何故そこまで必死だったのか?

今になってみると、よくわからない。

 

ただ、19歳で母が亡くなってから、よりその気持ちは強くなった。

父や祖父母、その他の親戚、ご近所さんや友人。

たくさんの人に心配をかけて、たくさんの人を悲しませた。

自分が彼らの気持ちを少しでも明るくできるのだとしたら、それは子どもを産むことしかないと思った。

 

赤ちゃんが産まれたら父は喜ぶだろう。

祖父母だって、きっと明るい気持ちになる。

みんな嬉しいはずだ。

そう思った。

 

また、私個人としては大して結婚にも出産にも魅力を感じてはいなかったが、「どうしても嫌だ!」というほど強い拒否感もなかった。

実際のところどうなるかはわからないが、たぶん普通に結婚して子どもを産めば将来がどうなるかまったく見通しの立たない状況からは脱して、少しは精神的に安心感を得られるだろうとも思った。

そんな感じ。

 

結婚するのであれば、何かしら動かなければならない。

友人の紹介?

合コン?

婚活パーティー

どれもピンと来なかった。

当時私は23歳になる年で、友人はまだ結婚云々に興味を示していなかった。

身元の知れない人にたくさん会う気にもなれなかった。

 

そこで始めたのが、ネット婚活だった。

 

◇ネット婚活

 

結論から言うと、私は三年半ほどネット婚活に励んだ。

途中、まったく活動しなかったこともあるので実際には三年にも満たないかもしれない。

 

私はいくつかのサービスを使用していた。

それぞれシステムに違いはあるが、概ね流れは同じ。

 

相手からのアクションを待つ、またはこちらからプロフィールを検索しアクションを起こす。

自分または相手が応じればメッセージを交換する。

互いが同意すれば実際に約束をして会う。

上手くいけば二度、三度と会って交際へ至る。

トントン拍子で進むことは稀だが。

 

ちなみに使ったことのあるサービスは以下の通り。

 

・Pairs(ペアーズ)

・youbride(ユーブライド)

・ゼクシィ縁結び

・エキサイト婚活(元・エキサイト恋愛結婚)

アエル

 

有料のものもあれば、無料のものもある。

サービスによって何となく登録している人の雰囲気が違った。

またあちこち渡り歩いていると、どのサービスでも見掛ける人もいた。

 

それぞれに特徴があり、長所も短所もバラバラなので一概には言えないが、個人的にはペアーズが一番使いやすかったと思う。

母数が大きいというのが一番。

女性は基本無料というのも大きい。

厳密にいえば「婚活サイト」ではなく「婚活アプリ」なので操作性も良い。

 

ネット婚活であれば、あらかじめ相手の情報を知ることができる。

文字上だがやりとりを重ねれば完璧とは言わないまでも相手の特徴、相性もなんとなくわかる。

 

一方で、最近特に語られるようなネット特有の危険性も、勿論ある。

相手が本当に未婚であるかわからないし、本当のことを書いているかもわからない。

詐欺や別の犯罪に巻き込まれる可能性だってある。

そういったリスクを十分理解し、警戒し、注意深く使用すれば、かなり使えるサービスだと個人的には思う。

 

◇婚活終了

 

何人かと実際に会ったり、試しに交際してみたりもした。

でも、私は続けているうちにどうしても虚しくなってやめてしまった。

 

単純な交際ならまだしも、結婚を視野に入れるとなると家族の話もしなければならない。

例えば自分の思っていることや、自分の左上に自傷の傷跡が残っていること、母が鬱病だったこと、そして自死で亡くなっていること。

そういった言い辛いことを伝えることができなかった。

 

ネットショッピングみたいにたくさんの人の中から条件だけで選んで、条件だけで選ばれて会ったに過ぎない相手だ。

何回会っても、何ヶ月会っても、私は相手を信用できなかった。

 

別にネット婚活を否定したい訳ではない。

これは単に私自身の問題だ。

婚活でなくても、職場の相手や知り合いなどにだって、そういった言い辛いことを伝えられたことはない。

そして、自分のことを何一つ伝えられない相手とこれから数十年一緒に暮らしていける気がしなかった。

それだけのこと。

 

上手く言えないが、やっぱり私は「○○でなければならない」という気持ちが強すぎるのだと思う。

 

結婚しなければならない。

結婚したら子どもを産まなければならない。

子どもを産んだらちゃんと子育てをして、立派に暮らさなければならない。

老後もちゃんと暮らせるようにしなければならない……

 

そういうことを考えるとどんどん虚しくなる。

「結婚しなければならないから」という為だけに相手に合わせて無理に過ごしたり、自分の気持ちを押し殺したりするのが苦痛だった。

 

そもそもそこまでして結婚したいのか?

本当に結婚しなければならないのか?

それって本当に望んでいること?

自問自答を繰り返して、悩んだ結果私は婚活をやめることにした。

 

無理に結婚する必要はない。

どうしても言い辛いのであれば、無理に伝えようとする必要もない。

そう思った。

 

これは数年前、二十代前半に考えていたことだ。

今後また考えが変わることもあるだろう。

もしかしたら、まんまとネット婚活を再開することだってあるかもしれない。

 

ただ、「結婚しなければならない」「若い内にどうにかしなければならない」と追い詰められる必要はなかったし、これから先もそうだと思う。